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まっすぐに立つ建物

地球は丸い

地球平面論者の方には納得してもらえないとは思いますが、測量をしている者として、地球は丸いんだなぁと感じています。

測位衛星を使ったGNSS測量や、国家座標に基づいた測量もまた、地球が丸い事を前提に計算式が作られています。

100mでも感じる地球の丸み

土地家屋調査士は測量をする際、縮尺係数なるものを使って、地球の丸みを平面に投影しています。
場所により異なるのですが、実測値に0.9999??の値を掛けています。すると、100mの距離を測ると約1cm程変わってくるのです。
通常、mm単位で測量しているので、100mで1cmというのは凄く大きな数字だと感じます。


土地家屋調査士の主な測量の対象は、一般の個人の方が所有している一般的な広さの土地です。見た感じ丸いと思った事はありません。
しかし、GNSS測量などやってみると、やはり地球の丸みを考慮しないといろいろと不都合を感じるのも事実です。

大きな建物

測量した土地の上に、片側で100mを越える壁のある大きな建物を登記の相談がありました。
これから建て始めるのですが、建物の位置を測量した土地の中のどこになるのかポイントを出して下さいとの事です。

平面の上に建つ建物と、丸い土地

建物の設計図は平面で作成されます。100mは100mです。
だけど、土地は縮尺係数を考慮しているので100mは99.99mになります。
座標系が違うので、こっちの基準点からポイントを出すのと、あっちの基準点からポイントを出すのとで、同じポイントでもズレが出ます。

まっすぐに立つ建物

そこで思考実験として、どでかい建物を建てた場合どうなるのかと考えてみました。

最初に考えたまっすぐな建物

でかい建物だなぁ。でも待てよ。これだと端っこにいる人は建物が斜めに見えるのでは?

右端にいる人の視点

赤い線が、右端にいる人の真上です。やっぱり斜めになる!

そして考えたまっすぐな建物

という事は、それぞれの人達にまっすぐになる建物とはこんな感じなんだ!

まとめ

こんな建物の登記をするのは大変だなぁ。と思いました。(思考停止)

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