土地家屋調査士の仕事に興味を持っている方に少しだけ具体的にどんな事をやっているかを書き留めたいと思います。
省略している部分や地域性、業務の考え方の違いなどあるかと思いますが、こういう土地家屋調査士事務所もあるよと思って頂ければ幸いです。
目次
ご依頼
不動産会社、建設会社、他士業、銀行など不動産に係わるお仕事をされている方から、よくご依頼を頂きます。
土地家屋調査士が何の仕事が出来るかは知られていないので、個人の方から直接というのは少ないです。
ご依頼(相談)内容の確認
境界をはっきりしたいから確定測量をして欲しい、建物の増築の登記をお願いしたい、などのご依頼が来ます。
この時、申請人や関係者の方とご依頼の背景にある真の目的と、その先に予定している段取りを確認します。
その問題解決のためにそもそも測量しなくても良い場合があるからです。業務受任に至らないかもしれませんが。
お見積もり
公図、謄本、空中写真、地理空間情報、オープンデータなどを利用し、真の目的を達成する為の情報を現時点で可能な限り収集し、分析します。
確定測量のご依頼であっても、最低限の情報でお見積もりを作成していたら、着手後に地図訂正や分筆登記、合筆登記や抵当権の抹消が必要になる場合も多々あります。
建物の増築の登記のご依頼であっても、取壊された建物の登記が残っていれば、後の売買に影響がでるかもしれません。
この時点で登記完了までの行程がシミュレート出来たら、俄然やる気が出てきます。
受任後に、よくよく調査してみたら追加業務が見つかって、業務終了までのロードマップを変更してしまう事も防げます。
受任
お見積もりや作業内容にご納得頂けたら、受任及び着手となります。
お見積もりの段階で可能な限り不確定要素は排除していますので、速やかに着手する事が出来、登記完了まで素早く処理する事を心掛けます。
隣接の方へのご挨拶
測量を依頼された事を、隣接地の所有者の方へお伝えします。また、表に出てきていない様な土地の動きや測量等の資料がないかも確認していきます。
調査・簡易測量
お見積もり段階では取得出来なかった情報を収集していきます。
必要に応じて空中写真やGNSS測量機による簡易測量、官公署の資料収集を行い、申請地付近の詳しい空間地理情報を作成し、境界の解析を行います。
実測
簡易測量(cmオーダー)では得られないミリメートルの情報をTS(トータルステーション)を用いて現地で実測していきます。
図面作成
実測で得られた観測データをCADに取込み、測量計算を行い座標にします。
野帳を基に結線したデータを、CAD図面に配置します。
このとき、線とプロットマークだけのデータが配置されるので、コンクリートブロックや擁壁、側溝などの絵を肉付けして現況測量図を作成します。
区画作成
申請地、隣接地などの区画を作成し、面積、筆界点間の距離などの確認を行い、申請地の仮の区画を決定します。
収集した情報を整理し、過去の土地の歴史を考えたり、土地家屋調査士の筆界探査の醍醐味がここに集約されます。
仮点出し
仮に作成した区画が、現地と整合するか確認します。木杭等を仮の境界点として設置したりもします。
官・民立会
市役所等、官公署に隣接している場合は、その様式に従い書類を作成します。
隣接地の方にも境界点を示す根拠となる資料を作成し、現地で筆界の確認等を行っていきます。
永続性のある境界標の設置
みなさんが筆界点に同意を頂き、境界標の設置を行います。
復元性のある数値測量を行っていますが、現地にて確認できる境界標を設置していきます。
赤いペンキで彩られたコンクリート杭はかっこいいので、桜町測量ではコンクリート杭を設置する様にしています。
登記申請
目的に応じた登記申請を行います。
桜町測量では完全オンライン申請に対応しておりますので、登記完了までスムーズに進みます。
成果物のお渡し
土地や建物の資料、登記完了後の登記記録など分かりやすいようにまとめたものを、成果物としてお渡し致します。
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