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土地家屋調査士に必須の穴掘り作業
なんだかんだで、最終的には境界標を設置する事になります。
境界標にはいろいろな種類がありますが、コンクリート杭やプラスチック杭を地面に埋設する場合は穴を掘らなければなならい事が多いです。
今回は、穴の堀り方を考察します。
1.素手
ごらんの通りの素手。
日常生活に於いても仕事中でも常に持ち歩いていると思われる為、事務所に置き忘れた!なんて事はありません。
時間はかかりますが、穴を掘る事が出来ます。

2.軍手・革手袋
素手をアップグレードする事の出来る優れものです。
穴掘り時の皮膚の損傷にも強くなるので、素手掘りをメインに考えていらっしゃる場合には必須である装備です。

3.スコップ/シャベル
地域によって、スコップやシャベルの言葉のイメージは違うと思いますが、大きさはそれぞれ、下記写真の様な道具です。
日本産業規格(JIS)では、足をかける構造があるものをショベル、ないものをスコップと区別しているみたいですが。
先が尖っている剣型、先が四角い角型と種類はありますが、主に剣型の方が効率が良いです。
大きいものでは、足を使って加重をかけて掘る事により効率的に掘る事が出来ます。
また、地中にある異物を感知しやすいので、穴掘り時の塩ビ管の破損などのリスク低減に期待出来ます。

4.複式ショベル(ダブルスコップ・芋掘り)
正式な名称は分からなかったのですが、ダブスコと呼んだり芋掘りと呼んだりしています。
両手で持ち上げ、落下運動によるダブルスコップの質量を地面に衝突させた時の破壊力により地面を掘削する恐ろしい道具です。
その破壊力故、塩ビ管等の埋設物等を損壊する恐れもありますので、使用時には細心の注意が必要です。
地面に衝突させる際に、使用者の腕力を加重する事により破壊力を増加させる事も出来ますが、実務上長時間の使用は困難です。
持ち上げる回数は増えますが、おとなしく重力に依存した自由落下に頼る事をおすすめ致します。

5.アースオーガ
これまでは人力を利用した穴掘り道具の紹介でしたが、これは電力を利用した道具になります。
エンジン式もありますが、おすすめはバッテリー式のものです。
電力による回転エネルギーをアースオーガの自重と使用者の体重を利用し、地面を掘削していきます。
地中の構成物等にもよりますが、土、細かい砂利程度でしたら掘削速度は人力の比ではありません。
カーブ状の擁壁下等の屈曲点の多い境界杭設置においては強力な作業時間の短縮になります。


番外編
・犬等
現場に犬を連れて行くと、興奮して穴を掘る事がありますが、あまり期待してはいけません。

土地家屋調査士はmm単位で境界標を設置しなければなりませんので、ピンポイントで掘ってくれる事に期待は出来ません。
また、もぐらやミーアキャット、アナグマなどの動力も利用したい所ですが、管理コストの観点及び事象が確定的でないので実務には向いていません。



・バールの様なもの
バール、鉄梃(かなてこ)と呼ばれる金属製の棒状の道具です。
地中にある石などの異物を除去するのに有効です。

・折りたたみ式のこぎり
薄い鋼板の縁に歯形を刻んで柄をつけた道具です。
地中にある樹木の根などの有機物等を切除するのに有効です。
頻繁に利用するものではないため、小型の折りたたみ式をおすすめ致します。

『おかしなもんだけど、誰にもわかんないようなことを言いさえすれば、
相手はたいてい、こっちがやってもらいたいことをやってくれるもんさ』
ライ麦畑でつかまえて/J. D. Salinger
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