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土地家屋調査士がグラボ搭載PCを選ぶ3つの理由

目次

はじめに:グラボ=「画像処理の専用エンジン」

PCの中でCPUは現場監督、グラボ(GPU)は力仕事を一気にこなす職人集団です。
これまでの2D CAD中心ならCPUだけでも動いていましたが、今後一般的になる3D・点群・高機能地図(GIS)になるとCPUの処理能力だけでは追いつきません。
そこでグラボの出番です。

グラボ・グラフィックボード・GPUは同じ意味で使っています。CPUとセットになっているオンボードグラフィックス(CPU内蔵グラフィックスはここでは除外します。

土地家屋調査士がグラボを必要とする3つの理由

1.都市モデルや点群の高負荷表示が増加。GPUがあると実務速度で活用できます。

写真:国土交通省公表資料

最近の地図・都市モデル・点群ビューアはブラウザ上で*3Dを描画します。
土地家屋調査士の仕事にも便利な*オープンデータが徐々に充実して来ていますが、いざ使ってみようと思った時に「動きが遅くて実用に耐えない」「画面がカクカクする」「固まってる?表示されない?」と、せっかくの便利なデータもグラボが入っていないと【*使えない】と判断してせっかくの便利になる機会を逃してしまうかもしれません。

*「使えない」と思うほど、描画する時間が掛かることにより、ストレスを感じる事があります
*ブラウザ上で3Dを描画するWebGLはGPUの性能を活用する為、非力なGPUほど処理を遅く感じやすくなります

2.点群・3D・QGISなどのコンテンツはGPUがあると快適に表示される

PotreeDesktopビューア

点群データや大容量データなど、これまでは雲の上の存在だったものが、機材の低廉化、今までは有料で当たり前だったものが無料で使えるものも存在する時代になりました。
せっかく3Dデータをオープンデータからダウンロードしても、グラボがないPCでは軽快に表示されないかもしれません。
結局、これも【使えない】データと判断してしまうのはとてももったいない機会損失です。

*VIRTUAL SHIZUOKA等、レーザー測量された3次元データが無料(オープンデータ)でダウンロード出来ます

3.“実質無料化”したフォトグラメトリソフト「デスクトップ版RealityScan」をフル活用するにはNVIDIA製GPUが必要

RealityScan

ついこの間までは50万円程の支出が必要だったフォトグラメトリアプリケーション「RealityScan(RealityCapture)」が、*実質無料となり、誰でも写真から点群を作成出来る様になりました。

個人・小規模事務所でも写真→3D/点群が現実的に導入できる時代です。

しかしここで条件が。RealityScanは*NVIDIAのグラボがなければ使えないのです。

*学生・教育機関・ホビイスト・年商100万USD未満は無料
*RealityScanデスクトップ版「CUDA 3.5+/1GB VRAM以上」

「Drogger MJpeg」が活きるのも、結局はRealityScanが動いてこそ

ビズステーション株式会社の「Drogger MJpeg」は、動画から静止画を自動切り出し、GNSSの高精度位置情報と紐付けしてくれる無償ツール
とっても便利なフォトグラメトリ支援ツールなのですが、やはりグラボがなければ点群作成までは*行けません。

*Metashapeはグラボがなくても処理出来ますが、実務上あまり現実的でない時間を要します。

グラボ搭載PCを導入したら、仕事がこう変わる!

現場をまるごと保存

従来は1日で観測500点が限界でしたが、写真測量ならGoProを自撮り棒につけ5~10分歩くだけで、数千万点~数億点もの座標を一気に取得可能です。
取得した3D点群からPC上で距離・面積・体積を再計測できるため、「あっちゃぁ」の測り直しに掛かる時間を大幅に削減できます。


*GCPで座標系を設定する写真測量やDroggerMjpegを使ったGNSS位置情報から行う写真測量

現場の共有を3Dで!

2次元の図面では表現できない現場の状況を3Dで共有!
打合せの為に現地で集合しなくてもいいかもしれません。余計な打合せが減るかも?
サンプル:https://3d.3ku.jp/potree-1.6/examples/20098/20098.html

付加価値アップ

「点群で差別化できるのは今だけ」ではありません。今は3D/点群活用が制度的に拡大しており、標準化に向けた移行期です。
点群モデル作成と品質管理のノウハウは、これからも確実に御社の競争力になります

GISも強い武器に

意識・無意識を別に、使っているGIS。
もっと便利に使おうと、これまた高機能なのに無料QGISを使う場合にもグラボの有無・性能で“体験差”が顕著に出ます。

いざ、取組もうと行動してみたのに、「遅くて使えない」っていう結論ほどもったいない機会損失はありません。

*QGISや3D/点群ビュー大容量描画はOpenGLでGPUに依存している為、ブラウザ表示のWebGLより遙かにGPUの効果を感じやすい

グラボ?どれを買えば良いのか分からない

安いグラボでもあるのと無いのとでは、操作体験は大違い。

グラボをどれにするかは永遠のテーマ。
あなたはどれにする?

CPU内蔵グラフィックだけでも基本操作は可能ですが、3D表示や大容量点群では処理が追いつかない場面が増えます。
エントリークラスのグラボでも導入効果は大です。

初めてだもの。とりあえず安いやつで様子見だぜ。
コスト重視 : RTX3050(*2万円~3万円)

みんなが選んでいる、一般的な性能があればいいかな?
いわゆる普通の : RTX4060(*4~5万円)

せっかくの自己投資なんだ、本格的に使えるのを買っちゃうぞ!
いいやつ : RTX3090(*20万円)

俺はいつでもハイエンド。(36回ローンは金利無料だし…)
めっちゃいいやつ : RTX5090(*45万円)

*GPUは相場変動が激しいため、金額は目安です

土地家屋調査士向け PCガイド 2025

QGIS入れたけど、動かすたびにカクカク…。これじゃ便利さが分からんやん!

たぶん、グラボっつーのが入っとらんとばい

ハッ。画面が写っとっとに、なんでグラボが必要なん?たまがる。

GPU(グラボ)=画面を描く専用チップのこと。
CPU内蔵のグラフィック(オンボード)でも表示はできますが、高解像オルソや点群・3D表示ではカクついたり、固まったと感じる事があります。

グラフィックボードの選び方

グラボ、探してみたけど種類が多すぎる・・・価格もピンキリやし、選び切らんばい。

RTX4060

は?

グラボをどれにするかは永遠のテーマ。
難しく考えなければ
コスト重視 : RTX3050(2万円~3万円)
いわゆる普通の : RTX4060(4~5万円)
いいやつ : RTX3090(20万円コース)
めっちゃいいやつ : RTX5090(45万円コース)
で導入してみる

4~5万円くらいのグラボを中心に考えてみる

switch2買えるやん!(品薄で買えんばってん)

グラボ導入で仕事に余裕が出来るけん、そいでswitch2は買おうばい!(品薄で買えんばってん)

グラボの型番の見方
【商品名:GIGABYTE NVIDIA GeForce RTX 5060Ti 搭載 グラフィックボード GDDR7 8GBの場合】
GIGABYTE=完成品メーカー(他にASUSやMSI、玄人志向など)
NVIDIA=GPUを設計・供給するベンダー
GeForce=NVIDIAのコンシューマ向けGPUブランド名
RTX 50:世代。20 → 30 → 40 →(次は50)…と新しいほど機能・効率が進化
60:グレード(クラス)50=入門、60=主力の中位、70=上位、80/90=ハイエンド
Ti :同世代・同クラスの強化版(派生にSUPERが出ることも)
GDDR7 8GB:グラボ専用メモリの規格・容量(後に増設出来ないので多いほど良い)

*RTX(現行)GTX(前モデル)はシリーズ名

オンラインショップで調べてみたばってん、同じRTX5060でもメーカーによって値段がだいぶ違うやん!

そげんたい、NVIDIAが作った中のチップは同じばってん、それば完成品を作るメーカーがそれぞれ冷却とか静音とかに拘っとるけん、メーカーによって値段が違うったい。

増設って自分で出来る?難しそう。

グラボはなんとなく分かったばってん、グラボだけ買っても自分じゃ付けきらんばい。

そら、そげんたい。自分でチャレンジも楽しかばってん、増設に不安があるなら、PCばもう一台、思い切って買おう!

増設じゃなくても、BTOでゲーミングPCを新規購入!

家電量販店で買えばヨカとね?

でけん事はなかばってん、店舗ならPC専門店のパソコン工房とか、ネットでならBTOがヨカね。
BTOは自作PCばお店の人に組んでもらって、完成品が届くって感じばい。

どっちにしても、NVIDIA GeForce RTXシリーズのゲーミングPCってのば選んどくとヨカバイ。

BTOの主な販売店
マウスコンピューター ドスパラ パソコン工房 フロンティア ツクモ サイコム SEVEN アークワンズ

土地家屋調査士向けPCを選ぶ際に特に注意する点

選択を間違えると致命傷になる所ば教えて

NVIDIA GeForce RTXシリーズを選ぶこと。
無料で使えるRealityScanっていう点群やオルソを作るソフトウェアがNVIDIAのグラボしか対応しとらんけん。今のところ。

グラボ搭載PCっていくらくらいする?

CPUをAMDにして安く仕上げるなら、10万円前半

NEXTGEAR JG-A7G5A

いっその事買い換えよう!中堅モデルを購入する!20万円台

G TUNE DG-I7G60
ZEFT Gaming PC 269,800円~

ビジュアルで選ぶのもあり!

フォトグラメトリを見据えて、GPUのランクで選ぶ

4080 SUPER / 4070 Ti SUPER 付近が実務の体感バランス良好。
あとは予算に合わせてチョイス!

グラフィックボードの価格はピンキリですが、出来上がる点群やオルソ画像は同じです。
高価なもの程、処理時間が早くなります。
処理を速くしたい(当日中になんとかしたい・パラメータを変更したり手返しを数多くしたい)のであれば高価なものを選択。
逆に安価なものであっても、業務終了後に処理を実行しておけば、翌日朝には仕上がっている。
という使い方も出来ます。
完成した成果品の品質は同じなので、自分がどういった使い方をしたいかで予算を決めてもいいでしょう。

フォトグラメトリ用GPUランキング(参考:独自ランク表)

フォトグラスコアGPUCUDAコアVRAMTDP/TGP*
100RTX 509021,76032GB575W
92RTX 409016,38424GB450W
80RTX 508010,75216GB360W
75RTX 4080 SUPER10,24016GB320W
72RTX 40809,72816GB320W
71RTX 3090 Ti10,75224GB450W
65RTX 4070 Ti SUPER8,44816GB285W
64RTX 309010,49624GB350W
61RTX 3080 Ti10,24012GB350W
59RTX 4070 Ti7,68012GB285W
57RTX 3080 (12GB)8,96012GB350W
55RTX 4070 SUPER7,16812GB220W
54RTX 3080 (10GB)8,70410GB320W
50RTX 40705,88812GB200W
46RTX 3070 Ti6,1448GB290W
44RTX 2080 Ti4,35211GB260W
42RTX 30705,8888GB220W
37RTX 3060 Ti4,8648GB200W
35GTX 1080 Ti3,58411GB250W
34RTX 3060 (12GB)3,58412GB170W
38RTX 2080 SUPER3,0728GB250W
36RTX 20802,9448GB215W(目安)
31RTX 2060 (12GB)2,17612GB185W(目安)
27RTX 2060 (6GB)1,9206GB160W

その他・気になるパーツは?

SSDが重要

NVMeを2台(OS用と作業様)に分けるのが正解
ストレージは、画像の読み込み速度がボトルネックになりやすい

OSはNVMe、写真/プロジェクト/キャッシュは物理的に別のNVMeの2つのSSDを使う。(SATA.3はNVMeに比べて遅すぎる)
解析する写真を入れるドライブを物理的に別のSSD NVMe Gen.4を用意する。
これで、解析とデータ領域を分離できて、且つ高速にデータのやりとりが出来る事で、データ処理の際のボトルネックになりにくい

メインメモリは?

中規模(20MP×~800枚)は64GBで運用可。余裕を見るなら128GB。

解析に使う写真の枚数によって、メモリ容量をチョイス。
土地(1筆地)の解析を行う~800枚程の中規模プロジェクトであれば64GBで足りる。余裕があれば128GB欲しい。

CPUは?

コア数とクロックが効く。GPUとの“価格帯バランス”で決める。

コア数とスレッド数の多いと処理速度が向上します。
が、GPUとの兼ね合いでバランスを取るのもひとつの考え方です。
RTX3060ならi5やi7
RTX4080ならi9
RTX5090ならCore Ultra 9
予算に糸目つけない選択なら、AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO 9995WX(96コア192スレッド)

ノートパソコンでもいい?

可。だけども・・・

写真解析はフルパワーになるので、放熱等を考えるとデスクトップPCのミドルタワーやフルタワーで考えた方がいいです。
GPUも、同じ型番(RTX4060)だとしても、性能はノートパソコンの方が劣ります。

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